民事法律扶助法は4月21日、参議院本会議において可決、成立。民事法律扶助法案に対する付帯決議、民事施行規則(法務省令第30号)と解説は www.jlaa.or.jp/new.htm を開いてください。
経済的な理由から弁護士や司法書土などの法律専門家に弁護などを依頼できない人に、国などが資金援助する制度が「法律扶助制度]だ。
この制度に初めて法的な根拠を与える民事法律扶助法が今月、施行された。実は、これまで先進諸国のなかで法律扶助制度に関する法律がなかったのは日本だけ。今回の法施行で制度はどう変わるのだろうか。
−−法律扶助制度ってなに?
「収入が少なくて法律専門家に依頼するお金がない人を支援する制度で、弁護士費用を国などが代わりに支払ってくれたり、一時的に立て替えてくれたりする。欧米など先進諸国では、同様の制度が完備している。日本でも法務省の事業として1952年から法律扶助制度が導入され、法律扶助協会という団体が実施してきた。
−−これまでの制度の問題点は。
「制度自体を規定する法律がなかったことだ。日本の法律扶助制度は法務省からの補助金で運営されているが、予算額も微々たるもの。制度の対象となるのは、全国民のうち所得の低い2割の層に限られていたし、立て替え制度なので、毎月分割で全額を協会に返さなければならなかった。
「海外では早くから法整備が進み、予算額も日本よりはるかに多い。少し前の統計だけど、法律扶助制度に対する人口一人当たりの支出額は日本1円に対し、英国2千円という調査があるほど。、海外では費用を用意できない人の多くは扶助されたお金を返さなくてもいい。制度の対象者も英国やフランスでは全人口の5割程度と多い」
−-それで日本弁護士連合会などが法制定を求めていたわけだ。
「そうだ。今年十月に新法が施行され、制度も変更された。まず、「全額償還しなければならない」という原則が少し変わり、生活保護を受けている人であれば、国が援助したお金を返さなくてもよいことになった」
「また、従来は弁護士が裁判など代理人となった場合の費用が援助の対象だったが、裁判所に提出する書類を作成しただけの場合でも作成費用を援助できるようになった。例えば、自己破産の場合は離婚や不動産がらみのトラブルと違い利害が対立する相手がいないため、弁護士や司法書士が作った書類だけで審理が終了することもある。こうした費用も扶助できるようになったわけだ」
---弁護士への相談もしやすなったと聞いたけど。
『相談登録弁護士制度』のことだね。何らかの民事トラブルが発生した場合、まずは弁護士に相談するけど、相談だけでも時間に応じて費用がかかる。従来は、この費用が出せない人は法律扶助協会の支部(50ヶ所)に出向けば、無料で相談を受けられた。しかし、扶助協会があるのは各都道府県の都市部に限られる。都市部から離れたところに住む人には不便な制度だった」
「新制度では、扶助協会の支部だけでなく協会に登録した弁護士の事務所でも相談が受けられるようになったことだ。協会によると、これまでのところ全国で約5000人、全国の弁護士の約3割が同制度に登録している」
−−−予算は増えるの。
「そこはなかなか難しいようだ。法務省から法律扶助協会への補助金額は、99年度が9億円、2000年度は法制定を見込んで21億円に増えたが、2001年度は概算要求段階で26億円にとどまっている。「補助金額が増えれば、全額償還という原則も変えられるし、扶助の対象となる層も広げられるのだが」と、法律扶助協会専務理事の永盛敦郎弁護士はしてきしていたよ」
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