大阪市平成13年度予算で重症心身障害児(者)建設の建設助成議会で承認され13年度中にも建設着手...第8回総会来賓の健康福祉局の担当課長より発表される。
以下大阪市のホームページ(http://www.city.osaka.jp/html/machi/13yosan/yosan05.html)を掲載します。
(平成13年度予算から)
重症心身障害児(者)施設の建設助成について
【民生局】
本市では、平成13年度において、重症心身障害児(者)(重度の肢体不自由と重度の知的障害が重複している障害児(者))に対する支援施策として、入所施設の建設助成を行います。 本市においては、重症心身障害者通所施設(定員:40名)を整備し、また、重症心身障害児(者)通園事業(利用定員 :5名)を3ヶ所で実施する等、在宅の重症心身障害児(者)に対して支援を行っておりますが、重症心身障害者の高齢化・重度化や常時介護を必要とする障害状態から、介護者自身の高齢化も進む中、長年の介護疲れからくる精神的・身体的負担により、在宅での介護が困難となり、必要な介護を十分に受けられない状況にある障害者が多くおられるため、入所施設を早急に整備する必要があります。 近年、入所施設に対する考え方が、いわゆる「収容」から「生活の場」へ移行する中、重症心身障害児(者)施設についても、「病院」系の施設としてだけではなく、「開放的で生活感にあふれた」施設の整備が期待されています。また、重症心身障害児(者)に限らず、障害児(者)に対する施策は、基本的には、住み慣れた地域で在宅生活が維持継続できるような支援が必要であり、今回整備を予定している施設については、「生活感のある」入所施設としてだけではなく、在宅生活を支援する機能も併せ持つ施設として整備していきたいと考えております。
◆事業内容
・重症心身障害児(者)施設建設助成
入所定員:60名(他にショートステイ20名)
通所定員:15名(重症心身障害児(者)通園事業A型)
開設予定:平成15年4月
・助成内容
総事業費:12億8700万円(国1/2市1/4法人1/4)
(施設整備費12億2400万円設備整備費6300万円)
施設整備費12億2400万円x10%(※)x3/4=9200万円
平成13年度整備費:9200万円(国・市負担分を計上)
(※…整備事業全体にかかる平成13年度における進捗率)
「平成12年3月発行」 重症心身障害者援護施設のあり方検討委員会(重症心身障害者援護施設のあり方について)より
「重症心身障害者援護施設のあり方」の提言にあたって
大阪市は、平成6年3月に「障害者支援に関する大阪市新長期計画(みんなのためのひとにやさしいまちづくりをめざして)」を、平成10年4月にはその重点施策実施計画である「大阪市障害者支援プラン」を策定し、障害者が住み慣れたまちで生活主体者として社会参加し自立できるよう、在宅福祉施策を中心とした支援施策の方向性を示しました。
同プランでは、重症心身障害者の支援について、日常生活の場の確保など地域生活の支援について検討する」とともに、現在大阪市内に整備されていない「重症心身障害児(者)等のための施設について検討する」と明記されています。
本委員会は、大阪市から委託を受け、「重症心身障害者援護施設のあり方」について平成10年度から2ヵ年にわたり、市が実施した重症心身障害者の実態調査や他都市の施策・施設の状況等を参考に検討を重ね、ここにそのまとめを提言するものです。
検討をとおして、大阪市では全身性障害者介護人派遣事業や障害者福祉作業センター運営補助をはじめ重症心身障害者通所施設の整備・運営、重症心身障害児(者)通所訓練事業(B型)の実施などにより、重症心身障害者の社会参加の機会が徐々に増えてきたものの、家族などの介護負担は依然として大きく、介護者の精神的・身体的負担による健康状態が懸念されるとともに、障害者は必要なケアが十分に得ることができない状況にあり、重症心身障害者援護施設の整備が必要であることが明らかになりました。
また、重症心身障害者にあっても、住み慣れたまちで生活主体者として社会参加し「自立」できるよう、地域生活の支援方策を整えることが求められており、これからの重症心身障害者援護施設は、「本人支援」「家族支援」など地域生活を支援する機能を備え、地域生活への移行を支え、必要とする医療的ケアを提供するなど多様な機能を有することが必要であるといえます。そこで、その運営シミュレーションについても検討したところです。
なお、重症心身障害者にあって「強度行動障害者」の支援については、個別二一ズに対応するうえで別途検討することとされたところであり、早期に検討に着手されることが望まれます。
本報告書を発行するにあたり、重症心身障害児施設旭川荘、東大和療育センター等多くの施設支援者の方々をはじめ、大阪重症心身障害児・者を支える会など障害当事者の方々、事務局を担っていただいた民生局障害者施策推進部の職員の方々など、各方面で多大なご協力を得ましたことに深く感謝いたします。
大阪市が、重症心身障害者援護施設を早期に整備されることを切望いたしますとともに、本検討委員会の検討結果が役立てば幸いです。
平成12年3月
重症心身障害者援護施設のあり方検討委員会
会長 大浦 敏明